実業家として、そして「青汁王子」の愛称で知られる三崎優太氏が、今、再び世間の注目を集めている。この数週間で、彼は新たな事業展開を矢継ぎ早に発表する一方で、かつてのビジネスパートナーとの間で法廷闘争の様相を呈するトラブルが浮上。その多角的な「再構築」の真価が問われている。

EVスクーター「L-noa」と太陽光発電サービス「でんき0ORACLE」:持続可能性への挑戦

三崎優太氏が代表を務める三崎未来電子は、2026年5月19日に新型EV(電動)スクーター「L-noa(エルノア)」を発売した。これは、新聞配達やデリバリー業務といった配送現場での利用を想定したモデルだ。自身がバイク事故を経験したことを契機に、環境に優しく、現場の負担を軽減する実用的な配送車両の必要性を痛感したことが開発の原点にあるという。L-noaは、1回の充電で約155kmの走行が可能で、家庭用の100Vコンセントで約7時間でのフル充電を実現。既存のガソリン車やバッテリー交換式EVバイクとは異なるアプローチで、業務効率と環境配慮の両立を目指している。

さらに、三崎氏がCEOを務めるでんき0株式会社は、2026年6月22日に住宅向け太陽光発電・蓄電池導入シミュレーションサービス「でんき0ORACLE(オラクル)」を正式リリースしたばかりだ。これは、住所と月々の電気料金を入力するだけで、太陽光発電や蓄電池導入による経済効果を最短1分で試算できる画期的なサービスである。電気料金の高騰や災害対策への関心が高まる中、専門知識がなくても手軽に導入効果を把握できる環境を提供し、再生可能エネルギーの普及促進に貢献したい考えを示している。

これら二つの新事業は、いずれも「環境」「持続可能性」といった現代社会が抱える喫緊の課題に対し、テクノロジーとビジネスで応えようとする三崎氏の新たな方向性を示すものとして注目されている。

仮想通貨スキャンダルの波紋と溝口氏への内容証明

その一方で、三崎氏を巡る新たなトラブルも浮上している。2026年6月19日、三崎氏は自身のYouTubeチャンネルで、実業家の溝口勇児氏に対し内容証明を送付したことを明かし、裁判に発展する可能性を示唆した。この問題は、三崎氏と溝口氏、そして堀江貴文氏が参加していたビジネス番組「REAL VALUE」を巡る仮想通貨「SANAE TOKEN(サナエトークン)」の騒動に端を発する。

SANAE TOKENは、番組内で紹介された際に、溝口氏が高市早苗首相サイドとコミュニケーションを取っていたかのように語ったことで、「首相公認」という誤解が広がり、後に高市首相本人が全面否定する事態に発展した。三崎氏はこの流れを受け、3月には番組からの出演見合わせを表明し、6月3日には自身のチャンネルでの番組配信停止も発表、事実上の離脱に至っている。

三崎氏は、一連の配信で「トークンなんて知らねえよ」「俺関係ねえからね」と、暗号資産を巡る騒動や溝口氏の名前が挙がるたびに、自身が無関係であることを強い口調で繰り返し主張している。また、この騒動が自身のビジネスにも影響を及ぼしているとし、不動産購入のための銀行融資を断られたエピソードも明かした。

結婚後の「理不尽」とプライベートの波紋

このトラブルの背景には、三崎氏のプライベートな人間関係も影を落としている。三崎氏は2026年1月30日、YouTuberのてんちむこと橋本甜歌氏と結婚したことを3月に発表した。しかし、てんちむ氏はかつて溝口氏と交際関係にあったため、結婚後に溝口氏との間で「めちゃくちゃ理不尽なことされた」と、これまでの配信でもトラブルの存在を匂わせていた。

公私にわたる人間関係の複雑さが、ビジネス上の軋轢に拍車をかけ、ついには法廷闘争へと発展する可能性が高まっている現状は、彼の事業展開にも無視できない影響を与えかねない。特に、銀行融資への影響は、資金調達を必要とする新規事業にとって大きな足かせとなるだろう。

過去の経験から得た教訓と「社会変革」への意欲

三崎氏は2019年に脱税の疑いで有罪判決を受け、人生のどん底を経験した過去を持つ。その経験から、国家権力の恐ろしさを痛感しており、今回の仮想通貨騒動においても「高市政権が今叩かれてるわけですよ。あんなことやったらね、本当にね、国家権力動きますよ」と、自身の体験を踏まえて警鐘を鳴らしている。

彼は、過去の失墜から這い上がれたのは支持者のおかげだと感謝し、2025年11月にはX(旧Twitter)で「来年の1月、日本社会に『革命』を起こします」と宣言するなど、社会への恩返しと変革への強い意欲を示してきた。この「革命」が、現在のEVや再生可能エネルギー事業を指すのか、あるいは別の大きな構想を秘めているのかは定かではないが、彼の言動は常に世間の注目を集め続けている。

「青汁王子」が目指すビジネスモデルの光と影

三崎氏の現在の事業展開は、単なる利益追求に留まらず、社会的な課題解決に貢献する側面を強く打ち出しているのが特徴だ。環境問題への対応や、人々の生活に密着したインフラの改善を目指す事業は、彼のパブリックイメージの転換を図る上でも重要な意味を持つ。

しかし、一方で、彼のビジネスは常に話題性と賛否両論を伴う。2026年1月には、新サービス「でんき0」の発表直後にウェブサイトに「お客様の声」が掲載されていたことに対し、SNS上で疑問の声が上がり、「試験運転」時のものだと釈明する一幕もあった。このような炎上しやすい体質は、彼のマーケティング戦略の一部とも言えるが、長期的な信頼構築にはリスクも伴う。

三崎氏が直面しているのは、単なる事業の成否だけでなく、社会的な信頼をいかに獲得し、維持していくかという根源的な問いである。過去の過ちを乗り越え、持続可能な社会への貢献を標榜する彼の「再構築」が、本物として世間に受け入れられるかどうかの正念場を迎えていると言えるだろう。

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