「りくりゅう」再燃する国民的熱狂:金メダルからプロの舞台へ
フィギュアスケート界に燦然と輝く「りくりゅう」こと三浦璃来選手と木原龍一選手ペアが、競技引退後も日本中の注目を集めています。2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでの劇的な金メダル獲得は記憶に新しいところですが、彼らはその栄光に安住することなく、プロフェッショナルとしての新たな道を力強く切り開いています。直近では大手化粧品ブランドのCMへの初出演や、自身がプロデュースするアイスショーの開催が発表され、その活動は多岐にわたります。彼らの魅力の根源にある「物語」と「絆」は、プロの舞台でどのように昇華されていくのでしょうか。
ミラノ五輪の劇的勝利と「物語」の力
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックにおいて、「りくりゅう」ペアは日本フィギュアスケート史上初のペア種目金メダルという快挙を成し遂げました。ショートプログラムで5位と出遅れながらも、フリー演技で世界歴代最高得点を叩き出し、大逆転での金メダルを獲得したその展開は、日本中に感動と熱狂を巻き起こしました。
この「りくりゅう」の成功を単なる技術や実力だけでは語り尽くせません。彼らが多くの人々の心をつかんだのは、その「物語」性の豊かさにあります。かつて木原選手がリンクでアルバイトをしながら競技を続けていた苦しい時代や、ペア結成当初からの試行錯誤、そして数々の怪我や困難を乗り越えてきた軌跡は、多くの日本人が共感する「積み上げ型」の勝利の美学と重なります。9歳差という年齢差がありながらも、互いを深く信頼し、支え合う二人の姿は「運命的な出会い」として語られ、彼らが織りなす感動的なストーリーこそが、国民的な人気を確立した最大の要因と言えるでしょう。
特にミラノ五輪では、ショートプログラムでのミスにより「絶望」を感じた木原選手を、当時24歳の三浦選手が「お姉さん」のように静かに見守り、支えたエピソードが強く報じられました。試合前に三浦選手が木原選手のジップロックに忍ばせた「私たちなら絶対できる、やってきたことがあるから」というメッセージは、二人の揺るぎない絆を象徴するものであり、日本中に深い共感を呼びました。
競技引退、そしてプロスケーターとしての選択
ミラノ・コルティナオリンピックでの栄光の後、三浦選手と木原選手は2026年4月に競技活動からの引退を表明しました。これは競技者としてのキャリアに一区切りをつけ、プロフェッショナルとしてフィギュアスケートの魅力を伝え続けるという新たな決意の表れです。
プロ転向後も、彼らの活動拠点はカナダにあり、競技時代と同じく「同居」スタイルで生活を続けていると報じられています。この生活様式は、彼らのパートナーシップが単なる競技上の関係を超えた、深い信頼と絆に基づいていることを示唆しています。彼らは、プロとしての活動においても、その唯一無二の関係性を強みとして最大限に活かしていく方針です。
CM出演相次ぐ!りくりゅうの「共感力」と市場価値
競技引退後も「りくりゅう」へのCMオファーは爆発的に増加しており、特に男女ペアという特性が起用しやすさにつながっていると分析されています。
その象徴的な活動の一つが、資生堂のエイジングケアブランド「エリクシール ザ セラム」の新CM「りくりゅう meets 倍速美容液」篇への出演です。2026年7月21日から全国で放映されるこのCMは、彼らにとって初の化粧品CMとなります。資生堂は、二人が築き上げた揺るぎない信頼関係と、氷上で見せる「美しさ」と「力強さ」に満ちたパフォーマンスが、「ザ セラム」の目指す姿と重なると考え、今回の起用に至ったと説明しています。CM撮影では、エリクシールの世界観を表現したオリジナル衣装をまとい、息の合ったダイナミックな演技を披露しました。
競技での圧倒的な実績に加え、困難を乗り越えるストーリー、そして公私にわたる深い信頼関係を持つ「りくりゅう」は、多くの人々が共感し、応援したくなる存在です。そのクリーンでポジティブなイメージは、企業にとって非常に高い広告価値を持っていると言えるでしょう。
自らプロデュースする「THE DESTINY」への想い
「りくりゅう」はCM出演に留まらず、プロデュース業にも挑戦します。2026年7月31日から8月2日まで東京辰巳アイスアリーナで開催される新アイスショー「THE DESTINY」は、彼らがプロデュースを手掛ける初の試みです。
このアイスショーは「運命」をテーマに掲げ、フィギュアスケートのペアやアイスダンスの魅力を最大限に引き出すことを目指しています。これまでにない大胆なリンクの使い方やプログラム構成、そして二人の交流のある世界最高峰のスケーターたちがゲスト出演する予定で、プロスケーターとしての新たな挑戦にかける彼らの熱い思いが込められています。アマチュア、プロの垣根を越え、未来へバトンを渡していく感動必至のアイスショーとして、既に多くの期待が寄せられています。
自分たちの手でショーを創り上げるという選択は、競技者として培った経験と、日本のペアスケートへの深い愛情を示すものです。彼らは、自らが牽引者となり、日本のフィギュアスケート界、特にペア競技の普及と発展に貢献したいという強い願いを持っています。
揺るぎない絆と未来への視座
三浦璃来選手と木原龍一選手の「りくりゅう」ペアは、2019年に結成されて以来、わずか数年で世界の頂点に駆け上がりました。木原選手は過去に他のパートナーともペアを組んでいましたが、三浦選手との出会いは「人生が変わった」と語るほどの運命的なものでした。
彼らの絆の強さは、互いのスキルが高いだけでなく、互いに合わせようと努力する姿勢にあると、元ペアスケーターの高橋成美氏も指摘しています。氷上で一体に見えるほどのシンクロニシティは、日々の地道な努力と、何よりも揺るぎない信頼関係の証です。
競技引退という大きな節目を迎えたいま、彼らはプロフェッショナルとして、その「りくりゅう」というブランドをさらに高めています。CM出演やアイスショープロデュースは、その才能と魅力を新たな形で世に送り出す挑戦です。彼らが切り拓くプロスケーターとしての新しいキャリアパスは、後進の選手たちにとっても大きな希望となるでしょう。日本を「ペアの国」にしたいという彼らの夢は、プロ活動を通してさらなる広がりを見せるに違いありません。